岩手県立美術館

企画展

シーボルト・コレクション 日本植物図譜展

日時
2002年6月15日(土)〜2002年7月28日(日) 
場所
企画展示室

詳細

会  期: 2002年6月15日[土]-7月28日[日]
主  催: 岩手県立美術館、岩手めんこいテレビ、株式会社マ・シェリ
後  援: 岩手日報社、NHK盛岡放送局、IBC岩手放送、テレビ岩手、岩手朝日テレビ、エフエム岩手
協  力: 全日空
企画協力: ロシア科学アカデミー・コマロフ植物学研究所、株式会社アート・ライフ
出品点数: 142点
観 覧 料: 一般/800円(650円) 高校・学生/500円(400円)
小・中学生/300円(250円)
( )内は20名以上の団体料金
企画展の観覧料で常設展もご覧になれます
日本にまだ写真技術が伝わる以前の江戸末期、長崎出島のオランダ商館の医師として日本に派遣されていたシーボルトは、川原慶賀や清水東谷をはじめとする当時の日本の絵師たちに多くの植物図を描かせました。そして、これらは後に、シーボルトの植物学上の重要な研究書『日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)』の基になりました。 この展覧会は、シーボルトが日本の絵師たちに描かせ本国に持ち帰ったコレクションを公開するものです。彼が持ち帰ったこれらの植物画は現在、ロシア科学アカデミー・コマロフ植物学研究所に収蔵されていますが、これらが広く知られるようになったのは、ロシアが世界に向けて門戸を開き始めたここ10年間のことです。初めて来日したシーボルトのために様々な文物を描いた川原慶賀、再来日したシーボルトに雇われた狩野派の清水東谷、伝統的な手法による桂川甫賢。本展は、コマロフ植物学研究所のコレクションの中から厳選した、このような絵師たちの作品約140点により、日本の植物画の歴史をたどります。ボタニカル・アートやガーデニングの人気が高まっている今日、170年以上も前のものとは思えないほど鮮やかで繊細なこれらの作品で、日本の植物画の新たな魅力をご紹介します。


◆フィーリップ・フランツ・フォン・シーボルト◆
1796年、ドイツの医学界の名門の家庭に生まれ、学生時代に医学の他に動物学や植物学、民族学の研究にも励みました。その自然科学の知識と探究心を認められると、1823年、日本の長崎出島にあるオランダ商館の医師に任命され、6年間滞在します。その間、「鳴滝塾」を開き優秀な日本人医師を育て、一方では植物や動物、鉱物など日本の自然史研究にも貢献しました。日本人女性滝との間に娘稲も生まれましたが、海外持出禁止品を故郷に持ち帰ろうとしたシーボルトは1828年、幕府に捕まり(シーボルト事件)、翌年国外追放に遭います。そして帰国後、日本で収集した資料をもとに『日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)』を編纂し、ヨーロッパに日本の自然史を広く伝えたのでした。1859年、再び日本を訪れる機会を得、幕府の顧問として日本に滞在しますが、1862年に帰国。1866年にドイツにて70年の生涯を閉じました。

◆川原慶賀(かわはら・けいが)◆
1786年、長崎の画家の家庭に生まれました。通称登与助。シーボルトの初来日の時、彼の専属画家として長崎出島に出入りし、彼の日本研究のための風景画や風俗画、動植物画などを多く描きました。西洋絵画によるものの捉え方をシーボルトらから学んだ慶賀は、それまでの日本画とは違った技法により日本の事物を写実的に描き出しました。シーボルト事件に連座し、1842年、再び慶賀の絵が国禁に触れると長崎から追放されました。慶賀の生涯については、未だ多くが明らかにされていませんが、その後長崎に戻り1860年に75歳で没したと伝えられています。

関連イベント

■ワークショップ「植物をみる眼」
 講師:押江千衣子氏
 6月22日[土]・6月23日[日] 各日10:30-
■講演会「花の男シーボルト」
 講師:大場秀章氏(東京大学総合研究博物館教授)
 6月29日[土] 14:00-
■ギャラリートーク
 6月21日[金]・7月5日[金]・7月19日[金] 各日14:00-
■映像上映「ドクトル・フォン・シーボルト」


◆今後の巡回先
 2002年6月29日[土]- 8月18日[日] 三重県立美術館 
 2002年8月31日[土]-10月20日[日] 松本市美術館

作品の性質上、巡回中に多数展示作品の入替を行います。ご了承下さい。

岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から1月3日まで)