岩手県立美術館

コレクション展

第1期 特集:新収蔵作品のご紹介

日時
2022年4月29日(金・祝)ー7月24日(日) 
場所
常設展示室

詳細

前期:4月29日(金・祝)ー6月12日(日)

後期:6月14日(火)ー7月24日(日)


 岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
 このたびは、令和3年度に新たに岩手県立美術館のコレクションに加わった4点の作品をお披露目します。当館収蔵作家である舟越保武、五味清吉(ごみ・せいきち)、松田松雄(まつだ・まつお)のそれぞれ特徴的な作品のほか、大正、昭和期の岩手を代表する日本画家・池田龍甫(いけだ・りゅうほ)の作品を初めて収集しました。
 舟越保武作《女の顔》(1947年)という大理石の女性像は、戦後間もない盛岡で制作され、当時のフランス大使に買い上げられましたが、その後長らく所在不明となっていました。ところが昨年パリにあることが判明、縁あって本県で取得の運びとなりました。本作は、若き日の舟越が、自身の芸術の方向性を模索しつつ、家族のために日々制作に励んだ盛岡滞在時代の優品です。実に74年ぶりの里帰りを果たした作品との出合いをお楽しみください。
 また、盛岡出身の画家・池田龍甫(1885-1974)は、萬鐵五郎や五味清吉らと同時代に活躍し、岩手の近代美術史において数少ない日本画家の一人として存在感を示した作家です。池田は東京美術学校で日本画を学び、在学中から官展に入選して大いに注目を集めましたが、戦争を機に郷里に戻り、戦後は地元で後進の育成に努めました。今回取得した《歌劇聖地揺籃(かげきせいちようらん)》は、1929(昭和4)年第10回帝国美術院展の入選作で、インドの戯曲「シャクンタラー」を主題とした異国情緒溢れる大作です。このような池田の代表的な作品を収蔵できたことは当館にとって大きな収穫であったと言えます。
 そのほかには、太平洋戦争当時、軍事郵便の絵葉書の図案の一つとして用いられた五味清吉の油彩画や、松田松雄が自身の画風を確立する前、試行錯誤を重ねていた頃の風景画など、各作家の画業をより深く理解する手掛かりとなる作品が加わりました。
 常設展示室では、これらの作品にあわせて、昭和期の作品を中心として、岩手の美術を紹介します。

舟越保武《女の顔》1947年(新収蔵)

常設展示室

五味清吉《日本兵士と支那小児》(新収蔵)
松田松雄《題名不詳〔風景〕》(新収蔵)
千葉勝《風と丘》
古関六平《恵存ʻ84》 ほか

萬鐵五郎展示室

萬鐵五郎

《赤い目の自画像》
《木の間から見下した町》
《男》 ほか

松本竣介・舟越保武展示室

松本竣介

《黒い花》
《議事堂のある風景》
《枯木のある風景》  ほか

舟越保武

《婦人胸像》
《原の城》
《聖セシリア》   ほか

各展示室において、会期中に一部作品の入替えがあります。

2022年度 コレクション展 第1期 作品リスト

2022年度 コレクション展 第1期 作品リスト(3.3MB)

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関連イベント


コレクショントーク

日時:毎月第2・第4土曜日 11:30-(15分程度)

「萬鐵五郎」「松本竣介」「舟越保武」など、毎回テーマを設定し、学芸員が展示解説を行います。

*開始時間は変更する場合があります。

*参加ご希望の方は当日観覧のためのコレクション展観覧券をお持ちの上、直接常設展示室にお越しください。


岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から1月3日まで)