岩手県立美術館

常設展

第3期展示 特集:古関六平の漆作品を中心に/新収蔵作品のご紹介

日時
2017年10月7日(土)〜2018年1月14日(日) 
場所
常設展示室

詳細

前期:10月7日(土)~11月19日(日)
後期:11月21日(火)~2018年1月14日(日)

古関六平《照影》1987年

 今期は二つの特集展示をします。一つ目の特集は、岩手県主催の「漆DAYSいわて」(2017年11月18日、19日)の開催に関連して、古関六平(こせき・ろくへい)の漆作品を中心に勝正弘(かつ・まさひろ)の漆作品も併せてご覧いただきます。

 秋田県に生まれた古関六平(1918-2011)は、秋田県立川連漆器工業試験場講習所に学びました。その後、岩手県工業指導所(現在の県工業技術センター)に在籍しつつ、伝統的な秀衡塗や浄法寺塗に現代的なデザインを盛り込んだ独自の作品を多数発表。1988(昭和63)年には勲五等瑞宝章を受章。同年、岩手日報文化賞も受賞しています。翌年には岩手県勢功労者に顕彰されるなど岩手県の漆芸の発展に大きく貢献しました。作品は深みのある色彩や光沢のある滑らかな表面が大きな特色と言えるでしょう。
 岩手県葛巻町で生まれた勝正弘(1928- )は盛岡短期大学美術工芸科で古関六平の指導を受けた後、漆工芸家の山崎覚太郎(やまざき・かくたろう)に師事し、以後、主に日展などを発表の場として活躍を続け、野鳥や満開の桜、曼荼羅などを長年に亘るテーマとしています。
 もう一つの特集では、平成28年度新収蔵作品の中から小笠原卓雄(おがさわら・たくお)の立体作品1点と菅沼緑(すがぬま・ろく)の立体作品4点を常設展示室に、舟越保武のブロンズ胸像作品1点を松本竣介・舟越保武展示室に展示します。
 小笠原卓雄は1970年代の「もの派」の美術家たちが活躍した時代に創作を始めました。「もの派」の仕事を吸収しながらも独自の表現を求め、作品の素材が具える特性と視覚や認識といった見る者の身体性との関係を考え、そこに「気づき」を意識させるような表現を模索してきました。
 菅沼緑は木を素材として自身の内に潜む形を一貫して求めてきました。シンプルでどこかユーモラス、遊び心も刺激されるその作品は、木そのものの素材を肌で感じられることを大切にし、何よりも自由な形であろうとしています。 

常設展示室
本田健《山あるき- 十一月》
増田常徳《寂光 (浄土ヶ浜)》
伊藤正《海の雫2012》 ほか
萬鐵五郎展示室

萬鐵五郎

《横すわりの裸婦》

《松島屏風》

《柳島風景》

《椿と林檎》

《風景》ほか

主要な萬鐵五郎作品については、巡回展「没後90年 萬鐵五郎展」への貸出のため、2018年1月19日(金)まで常設展ではご覧いただけませんのでご了承ください。

松本竣介・舟越保武展示室

松本竣介

《序説》

《Y市の橋》

《人》ほか

舟越保武

《聖ヨアキム・サカキバラ
(長崎26殉教者記念像のうち)》
《LOLA》 ほか

各展示室において、会期中に一部作品の入替えがあります。

岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から1月3日まで)