岩手県立美術館

Vol.93 ボランティア作品解説と絵本の読み聞かせ会

副館長 中野俊也

 2020.03

 美術館では多くの方々に来館してもらい、美術への理解を深めてもらうため、館長講座、学芸員講座、コレクショントーク、ワークショップ、アートデオヤコ、美術館てくてくツアー、アート・シネマ上映会など、様々なイベントを開催しています。

 今回は、多くのイベントの中からボランティア作品解説と絵本の読み聞かせ会についてご紹介します。ボランティア作品解説と絵本の読み聞かせ会は、美術館友の会のボランティアスタッフによって、運営されています。

 

 まず、ボランティア作品解説ですが、月4回から8回程度、12名の方が交代で解説しています。解説者の中には10年以上携わっているベテランの方も数名いらっしゃいます。

 同じ展示の解説でも、解説者によって、説明のやり方や内容が違うのはもちろんですが、同じ解説者でも、その日の参加者の希望によって、また、少人数の時には相手の反応を確かめたり、感想を聞いたりしながら進めるので、同じ絵の解説でもその時々によって違ってきます。解説を聞かなければ分からなかったこと、解説を聞きながら考えたこと、他の人が感じたことを聞くことによって、いつも何か新しい発見があります。

 

 次に、絵本の読み聞かせ会ですが、月2回、第2木曜日と第4土曜日に、8名の方のうち3名ぐらいの方が交代で実施しています。

 その季節、その時の天候、その時の年齢層などを見ながら、ボランティアスタッフの方がふさわしい絵本を選び出して、読んでいます。初めはおとなしかった子供たちも、思わず声をあげたり、一緒に掛け声をかけたりして、しだいに絵本の世界に引き込まれていきます。主な対象は子供ですが、大人が聞いても十分面白い絵本もたくさんあります。

 

 これまでボランティア作品解説と絵本の読み聞かせ会を何回か聞いて、私が感じたことは、ライブ性、どちらもその時の参加者によって、毎回、雰囲気が大きく変わってくるということです。一期一会というとちょっと大げさですが、今日はどんな人が来るのか、いつも楽しみにしています。そして、終了後の参加者との会話も貴重です。美術館に来た目的や感想、どこから来たのか、これからどこへ行くのかなど、どんどん話が弾むこともあり、中にはハイタッチしてくれる子供もいます。

 

 最後になりましたが、美術に興味のある方、絵本好きのお子さんをお持ちの方はもちろんのこと、今まで美術館に来たことが無い方も、展覧会だけではなく、様々なイベントもありますので、お気軽に美術館にお越しください。優しいボランティアスタッフの方々も皆さまをお待ちしております。

 

岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から1月3日まで)