岩手県立美術館

萬鐵五郎「木の間から見下ろした町」

萬鐵五郎「木の間から見下ろした町」

作品詳細データ

1918(大正7)年
油彩・画布
60.8×80.8 cm
 郷里土沢で制作に没頭する日々を過ごし大正5年1月に再上京した萬が、大正8年3月に神奈川県茅ケ崎に転居するまでの間に東京で描いた風景画の多くは、郷里の風景をモチーフとするものであった。彼は土沢でのスケッチをもとにこれらの風景画を制作したが、現在彼の記念碑や記念美術館がある町の北側の山の中腹から街並みを見下ろして描いたこの絵は代表的な作例であり、土沢滞在中に使用したスケッチブックの中に、制作の参考にしたと考えられる同じ構図の素描が残っている。
 灰褐色の深みのある色調で統一された画面では、両側から覆い被さる樹木の幹や枝葉が中央の風景を枠取り、俯瞰された家々から屋根の稜線だけが幻想的に浮かび上がる。作者の郷里への思いが凝縮された凄絶な心象風景であり、没後の遺作展観の際、親友の画家小林徳三郎は「描いてあるものも木なら木、家なら家の精霊のように見えるものだ。然し斯うなっては萬君も苦しい事であったろう」と評している。
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岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から翌年1月2日まで)