岩手県立美術館

Vol.92 巡り廻るサポスタ担当

期限付職員 大矢貴之

 2020.01

昨年の11月末、当館で創作体験ワークショップ、オープンスタジオが開催されました。年2回あるこのワークショップ、毎年冬は当館の学生サポートスタッフが企画・運営を行います。学生サポートスタッフ(略してサポスタ)とは当館のワークショップやイベントのサポートをしてくれる大学・短大・専門学校の学生さんたちのことで、これは美術館の開館間もないころから導入されています。今回のオープンスタジオは9月から約3カ月間の長丁場、準備から当日の運営まで、彼らが頑張ってくれました。

 

そして私は、現在このオープンスタジオとサポスタの担当を任されています。美術館の日々の業務は多種多様ですが、“個人的に”特に思い入れがある業務の一つが、このサポスタに関するものです。活動についてのサポスタとの日々の連絡や調整、年2回の募集やそれに付随する業務、そして学生企画オープンスタジオ。サポスタに関わる仕事は様々ですが、加えて彼らの活動するワークショップ、イベントも私はすべて関わるため、職員のなかで一番サポスタに接しているかもしれません。

 

そして、何を隠そう私自身も学生時代に、この岩手県立美術館のサポスタでした。先に“個人的に”思い入れが強いと書いたのはそのためです。

 

ここからは私事ですが、当時、美術を学びたいという思いから、元々在籍していた大学を休学し(病気だったことも一因で)岩手に戻ってきた私は、これからどうしようと悶々としたなかで、そういえば岩手県美では今何をやっているのだろうと、ふとPCを覗き込みました。そこで丁度サポスタの募集を知って「これだっ!」と思い、その日のうちに応募用紙をポストに入れました。

 

それから通信制の美大に入った私は、このサポスタでの活動に影響を受け、大学では美術館のワークショップやボランティア制度といったものを学びながら、4年間、サポスタとしての活動をフルに活用し、そして楽しみました。(美術館に勤めてから知りましたが、あまりにも活動に参加し過ぎて、大学は大丈夫かと警備員の方にも心配されていたそうです…)

 

ここでふと、これまでのFrom Staffではどんなことが書かれているのだろうかと見てみると、サポスタについて、何度か取り上げられていました。そして、私がサポスタとしてワークショップを企画した際のことも、その当時の担当職員の方が取り上げて下さっていました。そして今度は、私がサポスタについてこうして書いている。とても不思議な気分ですが、感慨深いものがあります。それはこれまで多くの職員の方が、そしてこの美術館が、学生の皆さんを大切にしてきた証左だと思うからです。

 

当時私は進路に迷い、大きな壁にぶち当たり、そして病気に足を引っ張られ、元居た大学も休学することで社会との接点も失うという、どうしようもなく不安な状態でした。そんな私にとって、サポスタは学校とはまた別の学びの場、居場所となり、社会や人との関わりの場となりました。そして何よりも美術に関われること、何かの役に立てることで私自身が支えられました。

 

私がサポスタになったのは2009年。もう10年が経とうとしています。その間も、多くの人の関わりで脈々と引き継がれてきたサポスタ。これからも、若い人たちが生き生きと活動できる場所であり続けるように、微力ながら、今度は私が力になれれば、そう思っています。

オープンスタジオの企画に参画した学生との打ち合わせ

 
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岩手県立美術館

所在地
〒020-0866
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
電話
019-658-1711
開館時間
9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)
年末年始(12月29日から1月2日まで)